本の感想

トルーマン・カポーティの「誕生日の子どもたち」
ミス・ボビットの台詞で

「普通に考えればわかることですが、ほら、イエス様はダンスのことになんて、かまわれるはずはありません。実を申しますと、つい最近も悪魔の助けを求めました。(略)パパの問題は、悪魔を愛さなかったというところにあります」

頭の中は、いつもどこか別の場所にあって、そこで人々はダンスをしている。神様はダンスなんぞにかまわないから、悪魔に助けを求める。

問題は、悪魔を愛さなかったことにある
という言い回しが、とても好きだなぁと思った。それが悪かどうかは、自身の感性次第という潔さが良い。

カポーティが投影する子どもは、大人になっていく狭間のなかで
「どこか遠くにある自分の居場所」
が、ほんとうに遠くにあるということを自覚していくのだなぁと思った。

子どもの頃は大勢のなかに居ることが苦手で、狭くても良いから一人の空間で過ごせたら良いのにと思っていた。物理的に区切ることはできなくても、精神的な区切りとして人との間に何かモノを置くようになった。鉛筆だとか。

カポーティの好きなところは、そういった 遠くにある自分の居場所 を、悪意なく表現しているところだなぁと感じました。